「ConoHa」と「さくらのVPS」は用途で選ぶべし!
初めてVPSを使おう!となると、まず迷うのがどのサービスを使うかですよね。
色々なサービスがありますが、最終的にGMOの「ConoHa」か、さくらインターネットの「さくらのVPS」で悩む方が多いのではないでしょうか。
この記事では、スペック表だけではわからない細かい使い勝手などに注目しながら、2つのサービスを比較していきます!
![](https://www.palsha.jp/wp-content/uploads/2023/02/78db209179f8ccab78abbd49a88ace458d253d705e4c0be2511dc44fad415640.jpg)
私はConoHaとさくら、いいとこどりで併用しています
結論!
細かいことを抜きに結論を申し上げますと…
- Webサーバ用途で使うなら「さくらのVPS」
- 無料でWAF(Web Application Firewall)が使える
- それ以外の用途なら「ConoHa」
- 簡単にバックアップが取れるので構築中の失敗も怖くない
- 最低利用期間がない
- キャンペーン期間に割引きっぷ買えばConoHaの方が安い
- SSL証明書無料で作れる
がいいです!
基本的にはバックアップが簡単に取れて圧倒的安心感の中作業できるConoHaがおすすめですが、Webサーバ用途に限ってはWAFが無料で使えるメリットが大きいのでさくらのVPSをおすすめします。
これを踏まえて、細かい部分の比較をしていきます。
実用面での比較
基本的なスペックから実用面での比較をしましょう。
公式の表をコピペしてもしょうがないので、「経済的な部分」・「VPSサービス基盤」・「関連機能」の3つの観点から評価に直結するポイントを取り上げて比較します。
経済的な部分の比較
経済的な部分を比較するとConoHaが優秀です。
項目 | ConoHa | さくら |
---|---|---|
価格の安さ | 年契約ならこちら | 月契約ならこちら |
最低利用期間 | なし | 3ヶ月 |
SLA | 月間稼働率99.99%以上 | なし |
価格の安さ
割引きっぷ(年契約)なら頻繁にやっているキャンペーン期間に申し込むと、ConoHaの方が結構安かったりします。
例えば現時点(2023/4/16)にやっている「春の贅沢キャンペーン」価格で比較すると
条件:CPU 2Core、メモリ 2GB、ストレージ 100GB、12ヶ月契約
ConoHa(VPS割引きっぷシンプル)→月額891円(年額10,692円)
さくら(石狩リージョン)→月額1,594円(年額19,128円)
差額→月額703円(年額8,436円)
と44%ほどConoHaが安いです。
最低利用期間
また、最低利用期間が設定されておらず、クラウドならではの気軽に作ってぶっ壊せる点もConoHaのメリットです。
なにか検証したいとき、クローンをパッと立ち上げて1時間ですぐ壊せるので便利です。
VPSサービス基盤の比較
VPSサービス基盤の出来を比較すると、さくらの方が優秀です。
項目 | ConoHa | さくら |
---|---|---|
リージョンの充実度 | 東京 | 石狩/東京/大阪 |
OSテンプレの充実度 | 13種類 (ミラクル☆Linuxとかもあるよ!) | 4種類 |
自前OSを使ったセットアップ | やりにくい | 比較的やりやすい |
FWのカスタマイズ性 | どっちもどっち | どっちもどっち |
コンパネの使いやすさ | 使いにくい | 使いやすい |
IPアドレスのクリーンさ | 当たり外れあり | 結構きれい |
スケールアップ/ダウン | どっちもできる | アップだけ |
コンパネの使いやすさ
特にコンパネの使いやすさについてはさくらの圧倒的勝利です。
ConoHaのコンパネは全体的にイマイチで、例えば
- いちいち反応がとても遅くてイライラする
- コンソール(VNC)のウィンドウサイズが微妙で画面端が見えない→毎回ウィンドウを下方向へ広げなくてはいけない(画像参照)
といった問題がありウルトラ不便です。
![](https://www.palsha.jp/wp-content/uploads/2023/04/6cc39f65726c2eddb752f470bc0b8b9f630362b3ace2f83fca8f4406a644a137-1024x637.jpg)
![](https://www.palsha.jp/wp-content/uploads/2023/04/6cc39f65726c2eddb752f470bc0b8b9f630362b3ace2f83fca8f4406a644a137-1024x637.jpg)
頻繁に触る画面ではありませんが、ちょっと改善していただきたいところ…
さくらは反応早いですし、コンソールのウィンドウサイズも問題ありません。
IPアドレスのクリーンさ
また、IPアドレスのクリーンさ(メールのブラックリストに載ってる確率の低さ)も体感上さくらの方が優秀です。これは最低利用期間を設定している点や、他社と比べ利用者の確認をしっかり行っている点が影響していると思います。
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以前、本人確認を求められたことがありました。しっかりしてるなぁ…
FWのカスタマイズ性
一方でFWについてはどっちもどっちといった感じです。両者にはそれぞれ
ConoHa | 決まったプリセット単位でしか制御できないのでカスタマイズ性は低いが、無差別攻撃をほとんど叩き落とせる。ipv4とv6のルールは独立して設定可能。 |
さくら | 1~32767番なら自由にポートを指定して制御できるほか、アクセス元IPを指定して許可することもできカスタマイズ性は高い。しかしステートレス動作なので32768~65535番は開けっ放し。ipv6通信は全ポート野ざらし。 |
という制約があります。ルールの柔軟さを捨てクラウドぱうわぁで無差別攻撃を寄せ付けないことを重視するならConoHa、絶対死守するポートを決めて無差別攻撃が到達するのを許容するならさくらという感じでしょうか。
![](https://www.palsha.jp/wp-content/uploads/2023/04/9f671205047ae3c81ae0353e661bafabee54d747db9732ccbd704956575873fc-1024x118.jpg)
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↑ConoHaの設定画面
![](https://www.palsha.jp/wp-content/uploads/2023/04/0965168be699997ffce6aee1cf8ee76031a54f43c46494be38517d4381f6148f.jpg)
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↑さくらの設定画面
関連機能の比較
関連機能ではConoHaの方が充実しています。
項目 | ConoHa | さくら |
---|---|---|
バックアップ機能 | 50GBまで無料で使用可能 (500GB/1,815円で容量追加可能) | 月額2,420円 (契約めんどい) |
SSL証明書 | VPSの年契約で無料付属(アルファSSL) | 990円~(1年/1枚) |
API | あり | なし |
WAF | 年額52,272円 | 無料 |
そのほかSaaSの充実度 | メールサーバ/DBサーバ/オブジェクトストレージなど | CDN |
バックアップ機能
50GBまでなら無料で使えるバックアップ機能と、VPSの年契約(割引きっぷ)で無料付属してくるアルファSSLのサーバ証明書はとても便利でConoHaを選ぶ最大のメリットです。
一応さくらでも有料でバックアップサービスはありますが、VPSとは別に「さくらのクラウド」アカウントが必要だったり、解約するにはメールでのやりとりが必要だったりと、あまり気軽に使える感じではないです。
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失敗してもすぐ戻せる安心感の中で作業できるのは、めちゃくちゃいいです!
WAF
一方、JP Secure社の「SiteGuard Server Edition」というホスト型WAFが無料付属している点はさくらを選ぶ最大のメリットです。
Webサイトの運用でL7層のセキュリティ対策を行うのは重要ですし、ログを見て「こんな攻撃もあるんだなぁ」と勉強になるのでおすすめ。
一応ConoHaにもクラウド型のWAFはありますが、年額52,272円(WAF使用料30,492円+クイック認証SSL発行料21,780円)かかるのでおすすめできません。SSLオフロードのために指定のSSL証明書が必要になるのですが、正直アルファSSLで年間2万円払うのはちょっと…
比較するとConoHaは万能、さくらはWebサーバ向きだよね
このように基本的なスペックを比較すると、ConoHaの方が扱いやすいことがお分かりいただけるかと思います。
コンパネの使い勝手などVPSサービス基盤の出来はさくらに負けるものの、経済的な面とバックアップ機能などの関連機能が優秀です。
基本的にはConoHaをおすすめします。
一方でWebサーバを運用するなら、バックアップ機能はないもののWAFが無料で使えるさくらがとても魅力的です。
REARなどを使って自前でバックアップ手段を考える必要がありますが、さくらをおすすめします。
このことから、両者を比較するとWebサーバ用途で使うなら「さくらのVPS」、それ以外の用途なら「ConoHa」という結論になります。
参考:両者のロマンポイント
ここまで両者を実用面から真面目に比較してきましたが、最後にロマンあるポイントをそれぞれ紹介したいと思います。
刺さるポイントがあるかも!
![](https://www.palsha.jp/wp-content/uploads/2023/02/78db209179f8ccab78abbd49a88ace458d253d705e4c0be2511dc44fad415640.jpg)
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ロマンの追求はモチベーション維持のために大事ですよ!!
ConoHaのロマンポイント
1.コンパネはこのはちゃん仕様にできます!
ConoHaは広報担当である「このはちゃん(CV:上坂すみれさん)」コンテンツに力入ってて驚きます。
コンパネの壁紙をこのはちゃん仕様にすることができ、しかも定期的に新しいイラストが供給される点がいいですよ。
↑このはちゃんのページ(GMO)
GMOさんすごいよね。
2.ニッチなOSテンプレートあります!
最初から用意されているOSのテンプレートは13種類。
MIRACLE LINUXなんかも用意されていて、ISOファイルからインストールする必要ないので便利!
さくらのロマンポイント
北の大地からHello World!
リージョンを東京の他に大阪/石狩から選べる点がいい!
競馬好きとしては、馬産地北海道に自分のサーバがあるんだなぁと思うとロマンありますね!(石狩地域は馬関係ないけど)
![](https://datacenter.sakura.ad.jp/assets/images/common/ogp.png)
![](https://datacenter.sakura.ad.jp/assets/images/common/ogp.png)
↑さくらインターネット、DCの紹介ページ(さくらインターネット)
終わり
公式のスペック表を比較するだけではわからないポイントを取り上げながら説明してきましたが、参考になりましたでしょうか?
どちらかのサービス1つを選ぶなら、Webサーバ用途→「さくらのVPS」、それ以外の用途→「ConoHa」となりますが、複数台サーバが必要なら2つとも契約していいところ取りをするのがいいかと思います。
よきサーバライフをお送りください!
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